1億年以上前のヒトは、真の猿だった?
地球が誕生して45.4億年±0.5億年という時間の中で、人類の祖とされる「ヒト上科」の生物が登場したのは今から約2400万年程前の中新世紀初期の頃と推定されている。我々ホモ・サピエンス・サピエンス、即ち現代人が、「ヒト上科」を起源として進化した生物だとしても、地球と歩んだ歴史時間は、地球年齢(45.4億年±0.5億年)の中にあっては”僅かな”時間でしかない。そのことは事実であり、地球は、人間だけが好き勝手に暮らす為の惑星ではなかった筈。
地球では氷河期が繰り返され、特に大型恐竜類(厳密には、鳥型恐竜と非鳥類型恐竜を含む恐竜類)には辛い生存競争となり、小型化(退化?)していく。元々、大型恐竜類に比べれば小型だった霊長類は、本能的に寒さを凌げる場所に住み、退化して小型化した恐竜類よりも長生き出来るようになった。先に死す者はそれ以後まで生きる者達の餌になる。長生き出来るようになった霊長類は、恐竜さえ食い始める。そこに「進化」という神の為せる業が加わった(不肖私の勝手な言い分ですから、突っ込まないように。実際の恐竜絶滅は、隕石衝突、或いは超巨大火山噴火などだという説を支持しています)。恐竜さえ凌駕した霊長類は、ヒトという存在を作り出す進化を見せ、現在、尚、進化を止めていない?
ヒト上科をずっとずっと溯ると、霊長類の最初の枝分かれは、直鼻猿類=「真猿類」と曲鼻猿類=「原猿類」が分岐した頃となるらしい。「鼻が曲がっている」とか、「鼻をへし曲げてやろうか」とか、「鼻っ柱を折る」とか、日本にはそのような言葉がありますが、”ヒト”は、鼻が曲がっていない猿の仲間=直鼻猿類の方に生まれた。とは言っても、地球上に霊長類が登場した時期や、霊長類が直鼻猿類と曲鼻猿類に分岐した時期は確定も推定も出来ていない。1億年以上前の事なのか、もっと以前なのか、数千万年前なのか、何も分からない。分からないが、「ヒトは、霊長類の進化過程の中に登場して、直鼻猿類(=別称「真猿類」)グループに属した。」
因みに、直鼻猿類とはグループを異にした曲鼻猿類には、現在、キツネザル類とロリス類などがそれに含まれる。
真の猿とか、原の猿とか、現代のヒト社会が勝手に名付けた言葉だが、どっちが元祖でどっちが本家?キツネザル類とかの鼻が曲がってしまった理由は、ヒトが(サルの)仲間に入って来たことでイヤになって鼻を曲げてしまった?抵抗感の現れか?
3800万年前、ヒトの鼻は狭くなっていった?
鼻(の孔)が広くてイヤだと思っている人がどれだけ居るかは知りませんが、ヒトの鼻は、直鼻猿類の中では狭い方に属するらしい。でも、現代人の美的感覚とはまるで逆に、今からおよそ3800万年前の真猿類の兄弟達の中に、「もっと大きな鼻が欲しい!」という願いが叶い?、別称「新世界ザル」と呼ばれる広鼻猿類が誕生する。広鼻猿類に含まれる現代に生きているのがマーモセット類とオマキザル類など。同じ広鼻猿類でも、新世界ザルとはちょっと違うのではないか?ということで、メガネザル類を別グループと見る学説もある。
ヒトが属するグループは、別称「旧世界ザル」と呼ばれる狭鼻猿類。つまり、「ヒトは、直鼻猿類の中に生き続け、狭い鼻であることをより特徴的とする。しかし、広い鼻を得た兄弟達(広鼻猿類)が、約3800万年程前に分岐していった。その分岐期は漸新世初期と言われる。」
他のサルに比べて鼻が狭くなったということは、嗅覚が衰えたり、鼻呼吸力が弱まったり、つまり動物的本能の力は劣って行ったという事だろうか?サルと喧嘩したら勝てそうには思えないし、でも、その代わりに脳みそが発達していった。本能力で敵わなくなった部分を、思考力で補うようになったヒトは、サルには理解出来ない”領域”へ向かって行った。因みに、ヒトには成れなかった狭鼻猿類の兄弟には、現在、コロブス類やオナガザル類などが在る。
ヒト上科~ヒト亜科
既に冒頭に書いたのですが、約2400万年前、狭鼻猿類(「旧世界ザル」)の本能だけでは生きて行けなくなった祖先たちは、「ヒト上科」として、旧世界ザルの兄弟達に別れを告げた。しかし、まだ、完全なヒト属ではない。ヒト上科には、「ヒト」になれる可能性を持っていたグループが存在する。但し、ヒトへの進化の道へ進めたのはヒト亜科のみだが・・・
●非ヒト科=テナガザル類、オランウータン類
●ヒト科類人猿=ゴリラ類、チンパンジー類
●ヒト科ヒト亜科=ヒト
この3つのグループに分かれる現象は約2千万年前辺りから始まったと見られるが、ヒト亜科が登場するのは、今から約500万年程前の事だと推定されている(※400万年前説など色々と説はあります)。ヒト亜科のヒトが、ゴリラやチンパンジーなどの類人猿類から分岐(進化/変異)したかどうかは何とも分からない。但し、ゴリラやチンパンジーはヒトに欲情するみたいなので(逆は無いと思うけど?)、性的には似ているのだと思う。
地球年齢から見れば、まだほんのつい先頃に起きたヒト亜科誕生ですので、今後どうなるかなんて誰にも分からない。誰にも分からないことを、分かっているかのように諭すのが「神」を持ち出した宗教。宗教家に騙されそうになった時は、動物園へ行って、ヒトの為の見世物と化したゴリラやチンパンジーと語らって来ると良いかもしれない。更に、テナガザルやオナガザルと見詰め合って来ると何かに思い当たるかもしれない。現在の真実は、「誰も、神の化石を見つけていない。」という、その事のみです。
神の化石を誰も見つけ切れないので、「神などいない」とするのか、「神は永遠なり」とするのか、それは自分次第。但し、この世に今現存する者達の誰一人として神など見ていない。そのことは確かでしょう。
見ていない事を見えているように言うのが宗教で、見えていない事を”見える化”する挑戦を続けているのが哲学(科学)。何れも、今のところヒトだけが手に入れて、ゴリラもチンパンジーも手に入れられずにいる。
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