人類の火は消えないままでいられるか

原始人類空想

ホモ・サピエンス以外に、火を手懐けたヒト達

ヒトは、約30万年前には、日常的に火を扱うようになっていた。学者達の推定では、約80万年前に、時折だが火を使っていた可能性もあるらしい。約30万年前のヒト属ヒト科ヒトの主たる”構成員”は、ホモ・エレクトス(=ピテカントロプス・エレクトス)やホモ・ネアンデルターレンシス(=ネアンデルタール人)、そしてホモ・サピエンスの祖先だった(※ユヴァル・ノア・ハラリ氏も、以上のような事を『サピエンス全史』に書いている)。つまり、原人(ピテカントロプス)、旧人(ネアンデルタール)、新人(サピエンス)が地球上の同時代に共存していた事になる。

現代人、特に21世紀に誕生した人達には別にどうってことは無い”事実”かもしれないが、20世紀生まれの”昭和人”にはちょっとした衝撃だ。何せ、「猿人」=>「原人」=>「旧人」=>「新人」(=>「現生人類」ホモ・サピエンス・サピエンス)という風に教わった筈なので、原人と旧人と新人が一緒に生きている時代というのは、現代に、ミイラ人やドラキュラや狼男が生きているようなもの。それはちょっと大袈裟だけど(笑)、昭和の時代に、武士だった人が生存していた以上の驚き。そういう事はさて置き、現生人類(=ホモ・サピエンス・サピエンス)は、猿人から進化して来た形という進化論を信じ続けるように教育を受けて来た人達にとって、「おや?」と思わされるような状況が出来つつある。百年後の教科書や一般常識では、現代のような進化論ではない話になっている気がします。

さて、取り敢えず上の3つのヒト属としての誕生順序では、当たり前だがピテカントロプスが最も古い。が、ピテカントロプス以前にも”原人として”ヒト属に入るヒト達はいた。
●ホモ・ハビリス(約240万年前~約140万年前)
●ホモ・ルドルフエンシス/ホモ・ゲオルギクス(約190万年前~約160万年前)
但し、以上のヒト達は、火を使っていたのが確実と見られる時代には存在していない(※今のところ、該当地層からの化石発見が無い)。

ピテカントロプス(約180万年前~約7万年前)
ピテカントロプスは、生存各所でネアンデルタールとの生存競争に敗北を重ね、約7万年前と言えば現生人類の歴史が始まった頃だけど、ピテカントロプスを絶滅させたのはサピエンスだと云われている。ピテカントロプスよりも新しい年代に生まれた原人(の化石人骨)も確認されているが、調理の為に火を使った可能性を指摘されている原人はピテカントロプスに限る(今のところ)。

~旧人~
ネアンデルタール(約35万年前、或いは約40万年前~約3万年前)
ネアンデルタール人が進化した形がホモ・サピエンス(新人)。という風に教わった気がする人達は現在の日本人にも少なくないと思う。気のせいかもしれないけど、旧人が新人(ホモ・サピエンス)に進化して、更に、ホモ・サピエンス・サピエンスが登場して現代人となったと教わった筈なんだけど、どうやらそうではないようだ。

ホモ・サピエンス

ネアンデルタールとサピエンスは、約66万年前には共通祖先を持っていたらしい。人類学はそこら辺が分かり辛い。66万年前に分岐したとは表現しない。何故なら上述したように、ネアンデルタールの登場は約35万年前(40万年前説も有力)で、サピエンスの登場は約25万年前(諸学説あり)と推定されているから。だったら、66万年前からそれまでの期間は何なのか?そもそも、共通祖先があって、35万年前と25万年前なら10万年もの開きがある。10年じゃない。現生人類の歴史期間よりも遥かに長い。それでも、「ネアンデルタールに進化が起きてサピエンスになった」という事ではダメらしい。共通祖先があるのなら別にそこに拘る理由は無い気がするけど?
ところで、ネアンデルタールとサピエンスの共通祖先って?

それにも色々と学説があるみたいですが、大方の見方では、やっぱりピテカントロプスがネアンデルタールとサピエンスの共通祖先らしい。但し、単純に祖先と見るのではなく、ピテカントロプスから旧人誕生までの間に地球上に登場した他の原人、或いは旧人との接触(交尾)により分岐したのでしょう(※ピテカントロプスとサピエンスの共通祖先分岐年代や、ヒト属とチンパンジーの共通祖先分岐年代までは百科事典じゃないので書きませんけど)。だから、原人=>旧人=>新人という進化で良いと思うのだけど、暴論ですが、(多分)現在の進化論はやがて瓦解します。

ヘルト人

ホモ・サピエンスには、更新世東アフリカに限定されたホモ・サピエンス・イダルトゥという学名のヒト種がいた。日本の東大チームも参加した1997年の発掘調査で発見された”ヒト”であり、約16万年前の人骨からホモ・サピエンスの亜種とされた。(※当時の東大チームの諏訪元教授は、ヘルト人と名付けた)。そして現生人類(=ホモ・サピエンス・サピエンス)の先祖は、この、ホモ・サピエンス・イダルトゥという事になった。ネイチャー誌に学術発表されたのが2003年なので、私が鼻垂れ小僧だった頃の小学校や中学校では、そんな事は教わっていない。正に、過去(歴史)は、未来に近付くにつれ明るくなる。

クロマニョン人と縄文人

約4万年~1万年前の化石人骨とされるクロマニョン人は、北アフリカ~ヨーロッパに分布してホモ・サピエンス(従来の日本の義務教育では、”新人”と教わった)に属するとされる。もっと厳密に言えば、クロマニョン人は、ホモ・サピエンス・サピエンスに属して旧石器時代後期を担った。日本列島で旧石器時代後期を生きたヒト種と言えば、竪穴式住居に暮らし土器を作って新石器時代人になった縄文人(=アズミ人)。クロマニョン人と縄文人は同じ時代を生きた共に現生人類初期人なのに、既に、平均身長にして約20cm、骨格もクロマニョン人がかなり大きく体格差が生じている。古代から、何か食文化が違っていたんでしょうね。縄文人・・・木の実と魚ばっかり食ったのか(笑)

サピエンス・サピエンスと科学

ホモ・サピエンス側が他種を犯して新種(ホモ・サピエンス・サピエンス)誕生となったのか?はたまた他種がホモ・サピエンスを犯して新種誕生となったのか?それは分からないけれど、ホモ・サピエンスと他種との交配でホモ・サピエンス・サピエンスと自称する現生人類が誕生した。

火を使う習性(文化)を持っていたホモ・エレクトスやホモ・ネアンデルターレンシス、ホモ・サピエンスの知恵を現生人類は受け継いだ。そして、現代の科学社会へと繋げた。もしも火を扱うことが出来ていなかったら、ライオンが食った後の残飯をハイエナが味わい、ハイエナが食い散らかしたほんの残りかすを手掴みで口に運んでいたのがヒト・・・という生活を続けているかもしれない。スマホなんてない。連絡手段は叫ぶか石を投げるかそんなもの。ナンパの必要もなく、気に入った異性を押し倒す。そういう生活をしていた筈だ。

が扱えなければ調理も出来ない。女の扱い、男の扱いは出来ても、火が扱えなければ猛獣たちから身を護る事さえ出来なかった。火が扱えるようになって初めて、草ぼうぼう状態を焼き払い、丸焦げになった猛獣の肉を食らうことが出来た。最初に火を扱ったホモ・何々人には大きな感謝をしなければならない。けれども、その”ヒト”も、まさか自分の子孫たるホモ・サピエンス・サピエンス(自分で「賢い」を重ねるような傲慢なヒトだが)が、地球上の自然には存在しなかった様々な「道具」をこれでもかと作り出して、挙句の果てには、ロケット造って地球外(宇宙)へも飛び出すようになるとは夢にも思わなかったでしょうね。ですが・・・
ホモ・サピエンス・サピエンスが登場して数万年、文明開化してほんの数千年、一般市民までもがパソコンを使いこなせるようになってまだ2~30年。しかし、あっという間にスマホ時代が到来した。科学を身近なものとした現代人は、本当に足早に地球上を駆けている。でも、それまでのホモ(ヒト)属は、数万年、数十万年とか長ければ200万年程度続いています。現生人類は、現代までやっと数万年。これから後どれくらい現生人類が生き続けられるか知らないけど、200万年も続くなら、本当に宇宙の果てへ届くのではなかろうか?とも思えて来た。しかし、「ホモ・サピエンスの行方」でも書いたように、良い方向の革命を起こさないと突然終わるかもしれない。

科学は、可学。不可能を可能にする為に学ぶ。その結果が科学の進化となって実を結ぶ。科学進化が良い方向へ進みますように(祈)

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