日露問題とは何か。何が問題なのか。(2)~経済不安と落とし処~

対露北方論

日本が、北方資源に手を出せない簡単な理由とジレンマ

日本とロシアの最大懸案事項とされる北方領土返還問題は、同じメンツ(安倍・プーチン)の首脳会談を何度も行っているが、結果的に何一つ進展していないし、南千島4島のロシア化は深化する一方にある。

二島(歯舞、色丹)先行返還
三島(歯舞、色丹、国後or択捉)先行返還
全島(歯舞、色丹、国後、択捉)一括返還

以上のように、「先ずは返還ありき」の姿勢を崩さない日本に対して、岩礁一つ譲る理由が無いという姿勢を崩さないロシア。平和条約の締結を口にするだけ無駄。という状況でこのまま永久に何もない気がしている。というのが不肖私の率直な私見ですけど、 (異口同音で) 同じように思っている人が実は大半じゃないかと思っている。

今、南千島で着実に進んでいる海底資源採掘事業だが、ロシア政府やロシア企業と握手出来ている中に日本政府や日本企業は含まれていない。主体となっている外国企業は支那系であり、外国人労働者の多くは北朝鮮人である。韓国系企業なども動いていると云われるが、日本は蚊帳の外。尤も、日本が弾かれていると言うより、日本にはその中へ入れない理由がある。

日本政府や日本企業がロシア政府が主導する”国家プロジェクト”に参加するということは、其処がロシアの領域であることを認める事になる。だから、手を出したくても手が出せない。それが分かっていて、ロシア(と支那と北朝鮮と韓国)は日本の鼻先で、何も手出し出来ない日本をせせら笑い、本来は日本の領域であった筈の海域を掘削する。

日本の国力、国民性で本当に維持・管理出来るのか?

歯痒いばかりだが、日本が政治姿勢(外交姿勢)を変えない以上、このまま、日本は指を咥えて見ているしかない。噂されているように、ロシア政府が、支那共産党政府に対して北方海域の何処かを売却する事さえ、有り得ない話ではない。しかし・・・

北方領土が返還されたとして、今の日本(日本人)は本当に其処を発展させ切れるのか?

東京一極集中により地方は廃れ、廃れていない近畿・東海圏でも大都市圏以外の田舎は過疎化する一方である。

外国と陸続きではない日本は、海岸線は皆国境のようなものだが、対馬や五島列島、沖縄の島嶼、隠岐、佐渡、小笠原諸島、そして北海道の北端や東端や西端等々を、敢えて国境地帯と見做した場合、その何処が”発展”している?活況を見せている?政治的経済支援が行き届いている?

写真や映像で見る限り、現在はロシア人ばかりが暮らす南千島(国後、択捉、歯舞、色丹)の方が、上述した日本の”国境地帯”よりは(大袈裟だが)よっぽど活気があって華やかに見える。

「北方領土を還せ!」と勇ましく口にするが、たとえば「韓人を日本に来させるな!」と連呼する人々が、韓人の来訪無しでは立ち行かない状況の対馬を思いやった事はあるか?疲弊している日本の田舎を何とか立ち直らせようという動きを、日本の若い人達が見せてくれることはあるか?老人や田舎をボロクソに貶すことはしても、弱者である老人や田舎の過疎地を何とかしよう!なんて何もしていないだろう。

北方領土を返還しろ!は良いが、漁場として利用出来たり、海底資源の採掘が期待出来る等々だけの印象にしか映らない。それ以上に、ただ地図上の広さが欲しいだけという声が大半だろう。
元島民関係の人達が本当に戻って暮らせるだけの環境整備を出来る?仕事を回せる?新たに移住を希望する人が大勢出て来る?・・・無いでしょう。

海域(国域)が増える!とか威勢よく言ってる人たちの多くは、せいぜい6畳程度の自室で十分満足してないか?海域がかなり広まったにせよ、広まった海域を観光に行く?仕事場とする?少なくとも、(映像や写真で見ただけだが)南千島に生活しているロシア人達は、日本の過疎地の人達と違って若々しい。

不肖私が勝手にそのように思っているだけだが、弱者苛めが好きな日本人では、南千島を発展させ維持する事なんてとても無理だ。日本に戻った途端に廃れていくと思う。・・・尤も、今のままの日本人の考え方が多少なりとも改まり、弱り果てている国境地帯やその他の過疎地を甦らせるような動きが見えて来れば、北方領土を本当に力強く活用出来ると信じる。但し、工業地帯化して環境破壊するなどは絶対にやらない条件付であることは言うまでもない。

ロシア系島民にとっては、既に、故郷である

北方領土返還もロシアとの平和条約締結も、恐らくこの先半世紀程度では何も進展しない。が、その間に、日本の元気の良い若者達には、是非、先ずは対馬を救って欲しいものだ。「韓国とは断交!」は不肖私も連呼している事だが、実際、日本国内には、来日する韓人観光客で成り立っている地域がある。そういう場所は「見捨てろ!」か?その理屈で行くと、北方領土を戻してもらっても、利用価値を何も見出せないで過疎化して終わるので?

ロシア人にだって「望郷の想い」はある。第二次世界大戦以降に南千島4島に移住して来て数十年以上も暮らしたロシア系島民は、発展させた島々が日本に返還された途端に過疎化していけば、そりゃ愕然とする。悲しむに決まっている。現在居住している彼らにとって、覚悟を極めて住み続けて発展させた、そこはもう故郷だ。ロシア政府も、腹を据えて投資を繰り返した場所だ。日本に返還されたにせよ、日本に返還されたからこそ更に良い島々となれば彼らも納得する。が、日本に返還された途端に、辺境のボロ島扱いされるのなら断固拒否するだろう。

言うは易しだが、現在の(年金支払いさえ懸念されているような)疲弊した日本国家の財政事情に於いて、本当に、南千島を御守りして発展させていけるのか?甚だ疑問です。北海道全体でも、札幌一強で、小樽、函館、 室蘭、苫小牧、旭川、帯広、釧路、根室など商・工業都市、観光都市はあってもその近隣の過疎化は進む一方でしょう。北海道に限らず、少子高齢化が止まらない中、日本全体が同じような状況だ。

北方領土を還せ!の思いは共有しているが、今の日本人の都会志向や見捨て(見て見ぬ)志向や投げやり的な国民性を思えば、返還されて以降の方がよっぽど心配になる。防衛予算、経済支援予算等々は、距離や極寒環境などを思えば相当な額になる。本当に、日本人全体で支え合う協力が出来るのか?北方領土への支援費用は、何処かの地域支援費用や福祉・教育財源等々を削って捻出することになる。その覚悟は?だから・・・

北方領土借款論

取り敢えず二島(歯舞、色丹)返還か、三島(+国後か択捉)返還で本当にケリがついた暁には、残りの島(二島か一島か)については、百年借款という名の半永久的借款で決着するべき。そして借款料をロシアから日本へ支払わせる。それがイヤなら全て還せと言うしかないが、堂々巡りになるけれど御守りが困難。借款で話がつけば、そこは日本領でもあるのだからロシアの国家プロジェクトであっても参加はし易くなるし、経済的効果は大いに見込める。あとは、アメリカとの付き合い方次第((1)「日米安保という足枷」参照)。

北方領土借款論」なんて暴論が過ぎている自覚はありますが、政治家にこそ、国民に真剣議論を促す為に言って欲しい具体策の一例です。

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