ソフトバンクグループへの不安

世評

一寸先は闇

一代で巨大企業グループを成した孫正義さんと言えども、人間である。人間であれば、人間に起こり得る全ての事から逃れ切ることは不可能だ。例えば、病気や怪我。寿命がいつ尽きるのか誰にも分からない。生き物である以上、それが、今この瞬間にいきなり訪れても何ら不思議ではない。

1987年10月19日のブラックマンデー。2008年9月15日のリーマン・ショック。この二つは、当時を知る大人達には絶対に忘れることが出来ないことだが、「まさか、そんな事が起こるなんて!」というのが多くの識者の言葉や報道の論調だった。誰にも(人間が行う事の)先は読めない。

ソフトバンク・ビジョンファンドに対する市場の評価

ソフトバンクグループの四半期決算発表で、噂されていた通りに、ビジョンファンド事業で1兆円近くもの巨額赤字を出してしまっていることを公の場に晒した孫正義さんは、懸命に”強気姿勢”を取り繕ってはいたけれど、見方によっては、不安に支配されていて今にも崩れ落ちそうだった。並の人間ならば、しどろもどろになっていてもおかしくない状況で、キッチリと自ら広報出来るところが孫正義さんの凄いところだけど、あまりにも桁違いの負債に対して、市場関係者のみならず、何も関係ない一般市民さえも不安に感じさせたことは言うまでもない。

超巨額赤字の( 相手は倒産などしていないわけだから、損失かどうかなんて分からない)発端となったWeWork。ソフトバンクグループのビジョンファンド事業の事が気になっていた殆どの人は、その企業の事業内容は既に知っているでしょうけど・・・
世界展開しているビッグビジネスとは言うものの、シェア・オフィスが本業の柱になっているWeWorkに対して、そもそも、投資すること自体が正しい判断だったのか?という声は元から少なくなかった。色んな評論家(投資評論家、経済・経営評論家等々)が、それぞれの視点で、”こういう狙いがあった”という解説はしてくれているけれど、それにしてもやっぱりこの投資に関しては失敗のように見える。と言うより、米英で行っている幾つかの巨額投資に於いて、「お見事!」と言えるような結果が出た事業はまだ皆無に等しいのでは?(言い過ぎでしょうけど)

特に、2016年の夏に世間をあっと言わせた3.3兆円規模で買収した(買収なので投資とも言えないが)英国の半導体設計企業ARM社も、それに見合う結果が出ている(出そう)とは見えて来ない。寧ろ、日本企業を買収~育成して、ARMになど出来そうにないことを日本で成そうとする事の方がよっぽど市場評価を得られたと思うけど、”グローバル”に拘る孫正義さんにとって、日本は魅力のない投資先なのかもしれない。

福岡市民の不安

ソフトバンクが、携帯や通信(インターネット関連含む)事業以外で最も目立っている一つが(そりゃ、規模がまるで違う世界でしょうけど)ソフトバンク・ホークスとホークスタウンの経営。つまり、福岡市民のみならず県民や九州各地のプロ野球好きにとっても、このニュースには無関心ではいられないって事。

西鉄ライオンズの身売り、太平洋クラブの身売り、クラウンライターの身売り~埼玉へ移転。というライオンズの「まさか」を経験している福岡人にとって、「まさか、それはないだろう」と固く信じてはいるものの、経営難による球団身売りを絶対無いとは言い切れない。「ソフトバンクだから大丈夫」と、ホークスファン100人に聞けば100人がそう答えるに決まっているが、ホークスだって・・・
大阪人にとってはまさかだったであろう南海の身売り(ダイエーによる球団買収)~福岡移転に始まり、ダイエーの身売り=≫ソフトバンクという現在までの経緯がある。

西鉄も南海も、現在も企業体として健在である。これは、お荷物と云われたプロ野球団を手放した事も事業強化に大きく寄与した。太平洋クラブも名門ゴルフ系企業として健在。クラウンライターは消えたが、経営母体の関東クラウン工業と対等合併した廣済堂は印刷系一部上場企業として健在。ダイエーだって、イオン傘下のグループ企業になったものの消えて無くなったわけではない。

上述企業とホークスの現在が違うのは、プロ球団としてけっして「お荷物」ではなく、寧ろ、最高のコマーシャル媒体として、ソフトバンクにとっては無くてはならない存在だということ。然りながら、ソフトバンクと言えども株主の声は無視出来ない。売れば巨額が入って来ることが確実なホークスとホークスタウンを処分して、負債返済の一部に充てろという要求が強くなれば、どうなるか分からない。尤も、ホークスとホークスタウンをセット購入出来るような巨大企業がはたして日本にあるのか?という現実問題はある。

ドームは約900億円で買収している事は報じられたが、今までかけてきた改修費用や、コンサートその他、野球以外の収益もかなり見込めるので売却額は1千億円を下らないと思われる。
ホークスタウンの資本金は優先資本で約150億円。特定資本は56億円。売上高は年間約115億ほど。総資産は現在約280億円と推察。
そしてホークス。資本金は1億円ながら、売上高は年間約320億円。総資産は1100億円に迫るとも云われる超優良”企業”。
ドームとホークスタウン(ホテル含む)とプロ野球球団(築後市のファームも加える)をセットで売買として、いくらなら合意に達する?興行権含んで2千億円でなら売るのかな?でも、2千億円で売って、ソフトバンクは本業や投資事業の未来に見合うのか?こればっかりは分からない。

ソフトバンクがダイエーから球団を購入した時、球団価値が50億円、興行権が150億円だったと公表されている。裏でいくらか動いたとしてもそれは知る由がない。そして、ドームの年間使用料金が48億円で、30年間使用する契約だったらしいけど、結局、ソフトバンクは上述のようにドーム購入に踏み入った。が、兎も角、200億円が大化けしたことは間違いない。この投資(買収)は、言い方を変えれば「安いもの」だった。(因みに、楽天イーグルスは、球団買収ではなく形式上は新規参入なので、大儲けと言えるのでは?)。

孫正義さんは、ホークスとホークスタウンの成功もあり、投資とか企業買収に対する自信を得た(深めた)のかもしれないけど、福岡出身の孫正義さんによるホークス買収~立て直しに対して、福岡市民、県民が強く支持した(応援した)ことも、ホークスの成功に繋がったと言える。ソフトバンクが一方的に成功したのではなく、市民、県民、もっと言えば九州~全国のホークスファンあっての成功。この事を見損なうと、ファンからのしっぺ返しに遭う時が来るかもしれない。

何が起きても不思議じゃないが・・・

ソフトバンクがどうなろうと構わないが、兎に角、ホークスだけは福岡に残れますように(祈)

ソフトバンクがどうなろうと構わないが、兎に角、ブラックマンデーとかリーマンショックのような全体経済を急冷する事態は引き起こされませんように(祈)

これが、”騒ぎ過ぎ”で無事済んで、孫正義さんがしっかり立て直しされることが最良ですが、それが成されたら、今後はもう少し、日本や、引いては福岡への投資をお願いしたいところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました