最近のネット上には、著名人(そうでない人も)の愛車紹介記事が溢れている。
伊藤かずえさんのシーマ愛(現在レストア中)が火を点けたのでしょうけど、「愛車」に限らず、「愛妻」「愛息」「愛娘」(「愛人」も?)「愛機」・・・皆が皆、自慢しているわけでもないでしょうけど、他人に紹介したいほど愛を注げる対象を持っていることは悪くはない。でも、愛人は、見せびらかしはせず秘密の付き合いかもしれないけどね。愛妻という言葉はあっても夫に対する愛の熟語・・・ないよね?夫には、熟すほどの愛は注がれない?
著名人によるクルマ関連の記事だと、GAZOOで連載中の安東弘樹さんのコラムが秀逸。クルマ愛が高く、走行制御機能始め部品(部位)の働き、進化等々、詳しいし分かり易い文章で書かれていて読み心地が良い。当BLOGの読み辛さとは真逆で、凄く参考になる。
安東さんのコラムの中に、若い人がクルマ離れしている理由を的確に言い当てている記事があった。簡単に言うと、(そんな表現では勿論ありませんけど)「そんなに(高い)値段設定のクルマを、若者をターゲットにしたと言えるのか!」みたいな感じ。クルマを運転する楽しさを多くの若者に知って貰い、もっと多くの若者がクルマを欲するような時が再来して欲しい。というのは、安東さんに限らずクルマ好きの人達に共通する思いでしょう。
(若者はクルマに興味が無い)「そういう時代だから」では片付けられない。日本の若者にクルマへの思いを冷めさせてしまったのは、伸びない収入やクルマ保有の利便性低下などもある。引いては、日本国家・日本社会が、「老後」「高齢化」「介護」「福祉」「出産率」「育児」「教育」・・・など、老人と幼児・児童・生徒を最優先として、その「働けない」世代を支える原動力である「若者への理解」を疎かにしているからに他ならない。
おっと、そういう話じゃなくて、今回はクルマに限った話・・・
日本国内で流通しているクルマ(メーカー)の中で、個人的に最も魅力的なのはメガーヌR.S.だけど、それ以外のルノー車やDS、プジョーなど、フランス大衆車メーカーのクルマには惹かれる。イタリアメーカーも、アルファ ロメオやフィアットはデザイン性も含め好きです。
あくまで個人的に、ドイツは国家も人も何処となくエラそうで好きじゃないのでドイツ車には目が向かないけど、ドイツのクルマメーカーが世界をリードしている事実、素晴らしいクルマを次々と生産している事実は理解している。けれども、イタ・フラ大衆車の方が、日本の道路事情にはまだ合っていると思う。
自国メーカーと同価格帯ならイタ・フラ車の方が魅力的。日本の厳しい気候や、ストップ&ゴーの多さなどに対して、イタ・フラ車は壊れ易いという悪印象を持たれている。けれど、見た目の魅力や運転者をワクワクさせる感の方が勝る・・・あくまでも私的に。
よく言われている定説だけど、欧州では、車は長く乗るのが当然。乗れば乗るほど、長く乗りたくなるような魅力に満ちている。壊れたら修理すればいい。自宅ガレージで自分で修理を行う人(それを楽しんでいる人)が少なくないと言われるし、日本のように年代物のクルマに高い税金を課すような下衆な政策は取らない。
欧州車、高いね。いくら欧州人の収入が高くても、そんな簡単には買い替えられない。だったら、良いクルマ(高いクルマ)の安全性、頑丈性へ相応の対価を支払い長く乗る。欧州のクルマ社会は、至極当たり前の考え方で成り立っている。(実際に住んだことはないけど、欧州車系の雑誌にはそのような内容で紹介されているので、間違っているかもしれないけど雑誌記事のウケウリ)。
日本だと、(国産車に対して)1~2度の車検を受けたら買い替える。という人(世帯)が多いので、先述した伊藤かずえさんのシーマのような存在は稀有。因みに、自分のクルマも旧いので車税は高い。
そもそも、「愛車」と呼ぶなら日常点検は欠かさず、そして適時に部品交換したり修理する。全然普通の事だけど、そういう事が面倒と思う人なら、アフターサービス至れり尽くせりの国産車という選択肢が良い。クルマは、運転するだけで責任を負う。安全・安心に乗るのが一番。(欧州車メーカーも、多くがアフターサービス重視姿勢を打ち出しているので、購入に対する安心感は確実に上がっている筈)
今、最も好きな(欲しい)クルマがメガーヌR.S.だけど、暮らしているマンションの(平置き)駐車場には置けない。車幅が、両脇のクルマ所有者とのトラブルになりかねない(ファミリー層が住人の大半を占めているので、ご多分に漏れず両脇はミニバン)。なので、メガーヌR.S.(少しだけ狭いメガーヌGTでも大して変わらない)が、どうしても自分にとって必要なクルマであれば、もっと広い駐車場を近所に借りるしかない。
たかだか車幅1875mmのクルマさえマンション駐車場の保管が厳しい。最近のマンションだともう少しだけ広い駐車場を提供されているのだろうけど、やがて築40年になろうかというこのマンションの駐車場は、車幅1800mmまでのクルマしか想定していないようだ。じゃあ引っ越せば?という簡単な問題でもない。ここら辺の地域利便性は高く、引っ越す気にはならない。親も頑強に反対する。だから近くに月極駐車場を借りることになる。けれど、住居から大通りまで出るまでの生活道路に於いては、車幅の広いクルマだと離合(すれ違う)が面倒。
うちのマンションに限らず、ファミリー層が多いマンションだらけのご近所だけど、やたらとミニバンやSUVが多いけど殆どは国産車。やっぱり、駐車幅や、生活道路でのすれ違いが面倒だと言う理由がそうさせているのだと思う。差別じゃないけど、ミニバン運転女性のすれ違い方・・・ちょっと怖い。
ルノーには、メガーヌR.S.以外に、ルーテシアやキャプチャー、トゥインゴのような楽しくてデザインも魅力的で日本の道路事情に見合うクルマがあるけれど、多くの外国メーカーだと、値段は兎も角、日本の生活圏の事など考慮しないクルマが圧倒的に多い(そりゃ、クルマ離れが進むような国に合わせて車を製造するメーカーは無いでしょうから)。うちの近所だと、BMWとかVWに限られる(この二つのドイツメーカーの販売車は、日本での運転を考慮しているように見受けられる)。
国産車、外国車に限らず、家計事情が許すなら誰だって好みの車に乗りたい。が、道路事情(特に、生活道路事情や、不慣れな町や旅先の狭い道や駐車場確保問題など)を考えると、複数台所有して使い分け可能な人を除けば、好みのクルマを愛車に出来る人はそんなに多くはない筈。
道路行政や車検制度や税制その他、車産業が盛んな国にしてはチグハグな面が多い。若者も、余裕が出来た年齢層でも、本当の「クルマ愛好家」が育たない国である。だから、車評論家の書く記事が性能重視でつまらない。もっと、生活とクルマが身近になれるような視点でのプロ評論が読みたい。
庶民生活に於けるクルマ事情を考えてみる

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